2016年 05月 07日
広葉樹と針葉樹 |
お休みを利用して、千代田にある栗農園「四万騎農園」へ行って来ました。茨城で栗と言ったら、笠間、岩間を思い浮かべる方が多いかと思いますが実はこの千代田から、茨城の栗の歴史は始まっているのです。

どこかのリゾートのように見えますが、これは農園内にある「あずまや」なのです。
構造材は杉(針葉樹)なのですが、要所要所に広葉樹材が混ざっていることに興味を引かれました。(天井中央部にあるカブラ束はおそらく栗材だと思うのですが)
栗農家ですから、手入れをしていく際に、栗の木材が出ます。栗材と言えば、竪穴式住居や三内丸山遺跡の柱にも使われていた樹種なのですが、今の時代広葉樹種(ナラ、タモ、クリなど)は市場に出回る材料がどんどん減っていき、材料もどんどん細く、短くなっています。
ゆっくりと育つ広葉樹の木目は針葉樹とはまた違う魅力を持っていて材料として硬くて、粘りがあり、強度があります。ですから、広葉樹材を見かけただけで、私はとても嬉しくなってしまうのです。
そんな広葉樹材の代表である栗材がこんなにもあるなんて、なんて贅沢な事なのでしょうか。栗農家の隠れた魅力に気付き、目から鱗でした。


楔も広葉樹が使われていました。柱石は稲田石でしょうか。割肌なのが場の雰囲気に合っていたと思います。
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広葉樹に話が偏ってしまいましたので、今度は針葉樹の話を少し。針葉樹を代表する樹種には、杉、ヒノキ、松などが上げられます。茨城県の山林では杉、ヒノキに恵まれていて、笠間やつくば周辺の山では何と、樹齢200年を超えるものまであるのです。
しかし、近年は集成材に押され、杉やヒノキの無垢構造材の引き合いは少なくなり価格が下落していて、高級木材であるヒノキと杉の値段が変わらなくなってきています。逆に言えば、ヒノキ材を採用しやすい時代になったともいえます。
地域の材料を建物に取り入れていくことは、建築の大切な要素の一つだと思います。茨城県には木材だけでなく、笠間の稲田石もあり、豊かな資源に恵まれているのです。
今、当たり前に使える材料や技術を、絶やさないようにすること。設計施工で目指す道が少し見えた気がしました。
(Sk)
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by shiratokomuten
| 2016-05-07 09:41
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